KOSMOST 編集部が読んだ“おすすめ本”ライブラリー。
微生物が愛らしくなる本を紹介します。
ライブラリー 008
『ととのう発酵』
Discover Japan ディスカバー・ジャパン 2021年7月号
免疫と発酵の関係?発酵マスター達による最新の見解
最新の発酵事情を広く深くカバーしていて、気軽に読める1冊。今回ご紹介するのはディスカバー・ジャパン7月号です。未曾有のパンデミック下で再注目されている免疫と発酵について、発酵学の第一人者である小泉武夫氏が語ったり、情報学研究者ドミニク・チェン氏がテクノロジーと生命から考える発酵、そのほか、多様な発酵食の精鋭達が微生物と如何に共生するかをくらし・健康・歴史・文化的側面から語っています。何せ、この特集の監修は「発酵文化人類学」著者で発酵デザイナーの小倉ヒラク氏。読みながら、新しい発見も多く、また読後の充実度が高いのも登場人物をみれば納得です。
目からうろこ。10ページに凝縮された納豆の奥深い世界
納豆について知りたくても、本を買うほどではない。ウェブで調べても似たような情報しか見つからない。そんな方におススメなのが本号。見事に奥深い納豆情報が10ページにわかりやすくまとまっています。納豆世界事情、スーパーフードの秘密、歴史、おススメ納豆など、今日から役立つ情報から自慢できる蘊蓄まで幅広い内容です。
『実は、日本の専売特許ではなかった!
納豆は、世界の健康食でした。』
日本のソウルフードだと思っていた納豆が、実はアジアやアフリカでも多様な形で食されていることをご存じですか?枯草菌である納豆菌による発酵という共通点はあるものの、粒やペーストなど形状が違ったり、大豆以外の豆が材料として使われています。消化しにくい豆を体内で吸収しやすく、美味しく取り込む知恵は世界中で発展していたのですね。
読んで、想像して楽しむ、発酵の旅
最近、旅から遠のいていますよね。旅に恋焦がれる今日この頃です。本号では、小倉ヒラク氏が指南する発酵ツーリズムが楽しめます。
発酵ツーリズムの定義をば。
- その土地にしかないものを「見つける」
- 現場を訪ねて醸造家に「出会う」
- 旅を通して歴史と気候風土を「深く知る」
北陸を訪れる「海の発酵の聖地へ」と岐阜・奈良川流域を訪れる「川の発酵の聖地へ」は、新しい旅の楽しみ方を提案してくれています。旅が自由に出来るようになったら参考にしたいこと満載です。
さらに「ニッポン全国発酵食品名鑑」では選び抜かれた発酵食品が紹介されています。読んでも楽しいですが、オンライン注文できる食品も多く紹介されているので、おうちで発酵旅気分が味わえそうです。
発酵初心者も発酵マニアも楽しめる、おススメの発酵特集号です。
【微生物とよく暮らすKOSMOSTライブラリー:バックナンバー】
001:『見えない巨人―微生物』
002:『細菌ホテル』
003:『マイクロバイオームの世界――あなたの中と表面と周りにいる何兆もの微生物たち』
004:『微生物のサバイバル1・2』
005:『日本発酵紀行』
006:『腸と脳──体内の会話はいかにあなたの気分や選択や健康を左右するか』
007:『あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた』
008:『ととのう発酵』ディスカバー・ジャパン2021年7月号 (現在の記事)
009:『もやしもん』
010:『最終結論「発酵食品」の奇跡』
011:『世界一やさしい!微生物図鑑』
012:『腸を鍛える―腸内細菌と腸内フローラ』
013:『図解でよくわかる 土壌微生物のきほん: 土の中のしくみから、土づくり、家庭菜園での利用法まで』
014:『土と内臓―微生物がつくる世界』
015:『ノーマの発酵ガイド』
016:『生物と無生物のあいだ』
017:『発酵の技法 ─世界の発酵食品と発酵文化の探求』
018:『人体常在菌のはなし ── 美人は菌でつくられる』
019:『生物から見た世界』
020:『麹本: KOJI for LIFE』