こんなところにも乳酸菌！⑧ 乳酸菌サプリの最新事情と選び方①

乳酸菌サプリにはどんな効果が期待できるの？

毎月23日は、何の日か知っていますか？　２（ニュウ）と３（サン）で乳酸菌の日なのですね。そこでこの記念日にちなんで毎月、乳酸菌にかかわるトピックスをとりあげています。2022年の第1弾となる今回は、乳酸菌に関する話題の中でも関心の高い「サプリメント」についての基礎知識をご紹介したいと思います。人気インターネットショッピングサイトで「乳酸菌　サプリ」と検索してみたところヒット数は約42,000件！　まさに百花繚乱という感じですね。

腸内環境を整える整腸機能

さて、乳酸菌のサプリメントでまず気になるのは、どんな効果が期待できるのかということ。このコラムでも何度か紹介していますが、よく知られているのは腸内の環境を整えるという働きです。乳酸菌やビフィズス菌がつくる乳酸や酢酸が腸内を弱酸性にして悪玉菌の繁殖をおさえてくれます。いわゆる整腸作用ですね。ショッピングサイトでの売れ筋をチェックしても、上位にランクインしているのは製薬会社が販売しているこのような整腸剤が多いようです。また、乳酸菌については、腸内ばかりでなく、口腔内の歯周病菌や胃のピロリ菌の繁殖をおさえるといった研究結果もあります。

　　参考情報：
　　[topic] からだ全体の健康にも関係が！？口の中の微生物バランス
　　若々しさと「口内フローラ」の関係とは？

乳酸菌で免疫力もアップ

乳酸菌の働きの中でも、最近とくに注目されているのが「免疫力」でしょう。風邪やインフルエンザといった感染症、がんなどへの免疫力を高めたり、免疫力を整えることによって花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー症状をおさえたりする働きが乳酸菌にあることがわかっています。
最近では、「免疫機能」を打ち出した機能性表示食品の乳酸菌飲料がヒット商品として注目を集めています。この「機能性表示食品」とは、国のルールのもと、企業が責任をもって、科学的な根拠にもとづいて機能性を表示する食品のこと。サプリメント選びのひとつの目安にするのもよいかもしれません。

乳酸菌とよい関係をつくっていくコツは？

このほかにも、乳酸菌には、悪玉コレステロールや内臓脂肪、高血圧をおさえるといった研究結果もあり、生活習慣病の予防や改善も期待できます。

しかし、これらの働きは、乳酸菌やビフィズス菌のタイプによって異なりますし、体内へのとりこみ方などによっても変わってきます。それになによりも、1人ひとりの体質などによって期待できる効果は千差万別であることをしっかり意識しておくべきでしょう。

それを考えると、乳酸菌サプリメントのなによりものコツは、自分のウェルネスに気を配って体調の変化にあわせながら気長につきあうことといえるかもしれません。いま紹介した乳酸菌の働きは、どれもが今日明日で効果が期待できるものではなく、長い期間にわたって継続してこそ意味のあるものばかりです。

このように乳酸菌と長期間にわたって良好な関係とつくっていくためには、価格や安全性などもサプリメント選びの大切な条件。また、安全性については、製造や品質について適正な認定をうけた国内のGMP工場で製造されていることをひとつの目安にするとよいかもしれません。

今回語りきれなかった乳酸菌のタイプやとり方、そのほかサプリメントの内容物については次回のコラムでご紹介したいと思います。

参考文献・サイト
一般社団法人全国発酵乳乳酸菌飲料協会 https://www.nyusankin.or.jp/func_cat/func/

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片倉　さとし

コピーライターの本業の傍ら、ときどき“いきものライター”として魚をはじめ生物系の記事や書籍を書いています。免疫力を高めると言い訳して、週末はサーファーとして毎週海へ。KOSMOSTにかかわるようになって微生物の本を読みあさり、最近、毎朝スムージーを飲むようになりました。 -------- Q. 「微生物とともに生きるライフスタイル」で大切にしていることは？ → A. 酒場で迷ったときは、蒸留酒よりも醸造酒を選ぶこと。 Q. ウェルネスのために心がけていることは？ → A. サーフィン。あまり熱心ではないヨガ。 ------- 🦠 片倉さとしの記事一覧