手軽につくれて朝ごはんにぴったり、栄養豊富な発酵食品のコンビネーションといえば「かつおぶし&納豆」ですね。発酵研究人、“はっこうちゃん。”が、発酵を通じて微生物の魅力を語る発酵エッセイ。さて、”はっこうちゃん。”がおすすめする究極の「かつおぶし&納豆」とは?
たんぱく質をスムーズに摂取するだけでなく、しあわせも運んでくれる!?
人生で何回「かつおぶし&納豆」ごはんを食べたでしょうか。
“はっこうちゃん。”の場合、過去10年に限って数えても、優に1000回超です。この原稿を書いている今朝も「かつおぶし&納豆」ごはんをいただきました。丁寧な朝食が続くと腸(調)子が良いです。この組み合わせは発酵食品の中でも究極的で、味わい深く、栄養も豊富です。
かつおぶしは、鰹を燻製して、特有のカビで発酵させた世界一固い発酵食品。水分約15%、たんぱく質が約70%、ビタミン、ミネラル、アミノ酸(うまみ)が豊富に含まれています。
また、納豆は、100度の環境下でも生き続ける強力な分解力をもった納豆菌(枯草菌)で発酵した糸引き大豆食です。大豆本来の栄養素であるたんぱく質、イソフラボン、レシチン、食物繊維に加え、ビタミン、カリウム、セレンなどが含まれています。私たちの生命維持に大切なたんぱく質は分子が大きいため、体内に吸収されにくい性質があります。ところが、発酵を通して分解されたたんぱく質は体内に吸収されやすくなります。
「かつおぶし&納豆」は、効率よくたんぱく質を摂取できるうれしい組み合わせなのですね。さらに、含まれる栄養素「トリプトファン」は体内時計を調整したり、しあわせホルモンと呼ばれる「セロトニン」を生成したりします。朝食にもってこいです。
かつおぶしをどう選ぶ?
かつおぶしは大きく分けて2種類があります。1つは、発酵していない「荒節」。燻した鰹を削ったもので、「花かつお/かつおふし」と表示されます。鰹の力強さや燻香のパンチがあります。
もう1つは、発酵した「本枯節」です。燻した鰹をカビ付けして発酵したもので、旨味が強く、まろやかで上品な味わいです。「かつおかれふし」と表示されます。
少しややこしいですが、この違いを意識して食べ比べると楽しみが増します。
「かつおぶし&納豆」ごはんをするなら、オススメの組み合わせはこれ!
さて、朝食の話に戻ります。
「かつおぶし&納豆」ごはんは、シンプルなメニューですが、組み合わせを多種多様に遊べます。いろいろ試した中で、おススメの組み合わせを紹介します。
「本枯節」×「小粒納豆」×「しょうが、ネギ、生醤油」×「酵素玄米」
削り器で「本枯節」をけずり、ごはんに絡みやすい「小粒納豆」と、体を温めるすりショウガ、納豆の半量の刻みネギ、生醤油2滴。これらを絡めて、小豆入りの酵素玄米と一緒にいただきます。噛む度にうまみ、甘み、辛味が複合的に感じられ、満足度が高いので、おススメです。必須アミノ酸をすべて含む味噌汁が加わるとパーフェクトな組み合わせです。かつおぶし、納豆、醤油、酵素玄米、そしてお味噌と、5種類の発酵食品を含んだメニューです。
もちろん、銀シャリといわれる白米と納豆の組み合わせも美味しいですが、玄米より糖質が少し多く、栄養価が低いことを考慮して、食べ過ぎないように、時々にしています。
何気なく食べている「かつおぶし×納豆」の組み合わせで、さまざまに遊んでみませんか。
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