季節が移ろい、気温が上下するこの頃、自然とからだが緊張しがちです。そんな時期におすすめなのが、腸をととのえる、ほっこり素朴な「発酵スープ」。発酵研究人、“はっこうちゃん。”が、発酵を通じて微生物の魅力を語る発酵エッセイの第3回目です。
くらしに少し工夫を加えれば、おいしい「腸活」に。
人間、生きていれば、良い日もあれば、悪い日もあります。それは腸も同じです。でも、不思議なことに腸の調子が良い時は悪い日になりにくいと思いませんか。
私は腸が詰まっていると感じている時や、食べ過ぎた翌日などは、夕飯メニューを「発酵スープ」中心にして調整しています。
スープを一口すすった瞬間の“落ち着く~”という安堵感。からだが喜んでいるような感覚。しばらくすると、からだがぽかぽかしてきて、そして翌日、快調、快腸となるのです。
今回は、『はっこうちゃん。』の素朴な「発酵スープ」の楽しみ方を紹介します。冬にはもってこいです。ポイントはやさしい火加減と発酵調味料を重ね使いすること。味に深みが出て、一つのスープで色々な味が試せます。
しょうがと根菜たっぷり「発酵スープ」の作り方
(仕込み時間 10分、調理時間 :圧力鍋の場合30分、普通のお鍋の場合 60分)
[材料](多めの4人分)
- とりもも肉 2枚(約450 - 550g)(ひと口大に切り、塩麹大さじ1(または麹甘酒大さじ2)と塩小さじ1/2をまぶして 30 分ほどおく)
- しょうが 50g (粗い細切り)
- 大根 中1本 (大き目の角切り)
- 人参 1本 (大き目の角切り)
- 椎茸 8ケ (4つに切る)
- ごぼう 1本 (スライス)
- オリーブオイル 適量
- 日本酒 100 ml
- 醤油 大さじ3
- 水 800 ml
[つくり方]
- 深い鍋にオリーブオイルとしょうがを入れ、弱火でゆっくり炒める。しょうがの香りがしてきたら、中火にしてとり肉を炒め、少し焦げ目をつける。(完全に火が通らなくても焦げ目がつけばOK)
- 1. に日本酒と醤油を入れて絡める。香ばしさが出たら、大根、人参、ごぼうを入れ、野菜がほのかに飴色になるまで炒める。日本酒は煮切らず、残っているくらいが良い。
- 水と椎茸を入れ、鍋にふたをして優しく煮る。沸騰したら、灰汁をすくって、蓋をして弱火~中火。圧力鍋の場合、30分、普通のお鍋は60分が目安。仕上げに、お好みで塩(分量外)を加える。
「発酵スープ」はトッピングと一緒に楽しんで
スープ自体に麹、醤油、日本酒など、すでに発酵調味料は入っているので、そのままおいしくいただけます。さらに発酵系トッピングを加えることでおいしさの層が重なり、満足度も高まります。
- 腸を整えたい時は、大根おろし×ポン酢
スープにすることで、大根をおいしくたくさん摂取でき、さらに、食物繊維を多くとりこめます。消化酵素が豊富な大根おろしを加えて、腸にダブル・アプローチ。さらに、柑橘の酸味と醤油の旨味が加われば絶品スープの出来上がり。新鮮なかぼすやゆずが手に入った時は、しぼり汁と醤油を2:1で割って自家製ポン酢を作ってみては?
- コクを求めるなら、味噌×白ごまペースト
寒い時はあっさりしたスープでは物足りなく感じることも。そんな日は、味噌と白ごまを半々に混ぜてリッチなスープに。味噌の旨味と甘み、白ごまのコクの相性が抜群です。辛味がほしければ、ゆず胡椒を加えて。 - 刺激を求めるなら、白菜キムチ
白菜キムチを加えるとチゲ鍋風に。からだがホクホク温まります。キムチに含まれる酵素や栄養素が腸の働きを助けてくれて、嬉しいことづくめです。
- 異国情緒を楽しみたいなら、台湾の豆腐乳
台湾で日常的に食されている豆腐乳は、豆腐、麹、塩、豆を発酵させた調味料。沖縄の豆腐ようは泡盛が入っていますが、台湾の豆腐乳はお酒を使ってないので、子供から大人まで楽しめます。旨味、甘み、塩味が溶け合った万能調味料です。一度お試しあれ。
「発酵スープ」を飲んだ翌日の体調は、いつもと何か違うはず。ぜひ、試してください。
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