発酵研究人、“はっこうちゃん。”が、発酵を通じて微生物の魅力を語る発酵エッセイ。今回のテーマは、おかゆと発酵食品のマリアージュ。胃腸にやさしいおかゆにいろいろな発酵食品をあわせることで、腸活にもなり、さらにからだを整えることができます。とても手軽なので、ぜひ食生活の知恵として覚えておきたいですね。
からだが何となくスッキリしない時におススメの発酵おかゆ
ごちそうが続いたり、運動不足なのに美味しいものを食べ過ぎたり、快腸でないなど、からだが何となくスッキリしない時はありませんか?
そんな時におススメのレシピが、発酵おかゆです。白いお粥だけだと飽きてしまいますが、発酵食を取り入れておかゆを食べるとバリエーションも増え、味の変化も楽しみながら、からだを整えることができます。さらに嬉しいのは消化にも良く、カロリー過多になりにくいこと。お腹いっぱい食べても、水分がほとんどなので、総カロリーは抑えられます。
おかゆ×発酵のバリエーションは、ライフスタイルや好みに合わせて
おかゆの選択肢には、白米粥、玄米粥、酵素玄米粥などがあります。作り方も炊飯器のお粥モードで炊く方法や、すでに炊いてあるお米に出汁やお湯を加えて鍋で煮る方法があります。おうちにある器具を使って、気軽につくってみてください。
●炊飯器の場合
生米の分量に対して約7~10倍の水分量を目安にお粥モードで炊きます。この時に塩を一つまみを入れると美味しさが増します。玄米で作る場合は約10倍の水分量で。その先は自分の好みに合わせて水分量を調整していきます。
●炊いたご飯の場合
米の分量に対して約2~3倍の水分量と塩一つまみを鍋に入れ、蓋をして、弱火で優しく煮ます。酵素玄米も同様です。硬めに炊いてある玄米を使う場合は水分量を少し多くしてみてください。
発酵おかゆをデザインする
おかゆが炊けたら、ワクワクする行程がはじまります。自分ならではの発酵おかゆのデザインを、試していくのです。はっこうちゃん。好みのかけ合わせを紹介します。
●発酵モノ
・ぬか漬け:自家製発酵ぬか床に3日間漬けた人参は味の濃さと食感が絶妙。細かく切って、おかゆに混ぜるとバランス良く中和されて、味わい深くなります。他の野菜もお好みで試してください。
・野沢菜:塩でシンプルに漬けた野沢菜は日ごとに乳酸発酵が進みます。それを刻んでおかゆに混ぜると青々しさと爽やかな酸味が加わります。
・梅干:お米との相性は広く知られているところです。赤しそも一緒に刻んで入れるのもおすすめです。
・味噌:万能の味噌がここでも活躍。お醤油の代わりに。
・熟成こうじ納豆:雪割納豆と呼ばれる、北国で作られた納豆、米麹、塩の珍しい発酵食品。やみつきになる味です。納豆特有の発酵味と麹の甘みと塩味が発酵し合うことで、何とも言えないコクやうま味を含んでいます。
●その他
・薬味:刻んだネギ、すり生姜、青大根おろし、もみじおろし。おかゆが引き締まるのが想像できますね。
・海藻系:刻み海苔やとろろ昆布。試す価値ありです。
・たんぱく質系:しらす、肉の佃煮、生卵など動物系のたんぱく質を加えるとボリュームアップで、たまには良いですね。
今回ご紹介しただけでも、たくさんの発酵おかゆバリエーションが楽しめるのがおわかりだと思います。たかがおかゆとあなどるべからず。数日発酵おかゆを続けると、からだが気持ちよく整っていくのを感じていただけるのではないでしょうか。
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