親子で悩んでいてもなかなか話題にしにくい「子供のウンチ問題」について、ホリスティック・ウェルネス・アドバイザー、星宏美さんの新しい連載コラムがはじまりました。KOSMOSTらしく腸内環境などの話題も交え、実体験をもとに何回かのシリーズで語ります。
小学生になってからのウンチ問題
前回のコラムでは、息子のトイレトレーニング「トイトレ」からのウンチ問題について、およそ3歳~4歳ごろの課題をお話ししました。
幼稚園の年長さんになり、いよいよ小学校入学も間近になってきた頃のこと。息子は幼稚園のリュックではなく、ランドセルで学校に行くことをとても楽しみにしていました。2つ年上の姉とよく似ているのか、いろいろな先生から「お姉ちゃんとそっくり!」と声をかけられることも度々あり、学校は初めての場所でも、多少は安心を感じていたようでした。
小学校に入学してすぐは、給食もなく、下校時間も早いのが通常です。この時期は、小学校の生活に慣れるための毎日でした。しばらくすると給食が始まり、徐々に下校時間も遅くなっていき、そのころにはランドセル姿もすっかり板についてきました。しかし、そこでふたたびトイレ問題が始まったのでした。
学校から帰ってくると、慌ててトイレに駆け込みます。玄関を開けたら、親の顔を見る前にトイレに猛ダッシュの日も度々ありました。同じ幼稚園からのママ友に久々に会って立ち話をした時に、息子がトイレに駆け込む話をすると、「分かる~!!うちも同じ。慌ててトイレに行くよ」とのこと。小学校には和式トイレもあるので、トイレになかなかなじめないのかな程度で、小学生あるあるなのかと、あまり気にしてはいませんでした。
女子と男子のトイレの違いが原因に?!
その後も、帰ってくるなりトイレに駆けこむ毎日が続きました。よくもそこまで我慢できるなと思い、我慢はよくないという話もしたのですが、息子からこんな言葉が出ました。
「学校のトイレは怖いし、個室に入るのは嫌だ」
それを聞いてハッとしました。女性のトイレはすべて個室ですが、男性のトイレは分かれています。男の子が個室に入っているということは、「ぼく、いまウンチしてます」と宣言しているようなものです。
幼稚園生活では、小学校に上がることも想定して、立っておしっこをすることをある年齢から練習します。このことを疑問に思っていませんでしたが、立っておしっこをするということは、ウンチをするときは座ってする。つまり、個室に入らなければならないということになります。
女の子でも、学校のトイレでウンチをするのは嫌だったり、恥ずかしかったり、という気持ちがあると思いますが、男の子は個室に入るわけですから、女の子より、嫌や恥ずかしいという気持ちは、なおさらかもしれません。男の子はウンチやおしっこ、おちんちんというワードが大好きですが、自分のことでそのワードを使われるのは、やはり恥ずかしいのだろうと思います。
個室のトイレしか知らない私は、男の子のトイレ事情について、夫に話を聞いてみました。やはり夫も、小学生時代、学校のトイレでウンチをするときは、裏切ることがない相手とトイレ同盟を組み、見張り役を立ててトイレで用を足したとのこと。夫は神経が細やかな息子と違い、豪快派な性格。そんな人であってもトイレ同盟を組んで見つからないようにトイレでウンチをしていたとは。昔から男の子にとってトイレ事情は、重要な問題なのかもしれません。
小学生のトイレ問題、どうしたら解決できる?
トイレでウンチをすることを「恥ずかしい」と思う流れは、男女関係なく、子供たちのなかにあるようです。それを、いかに恥ずかしいことではないと伝えていくかが、とても大切なことのひとつだと思っています。
体の働きとして、排せつとはどんな役割を持っているのか?ということを伝えていくことは、小さいころから家庭でも幼稚園や保育園などでも必要なのかもしれません。
子どもが通っていた園では、男の子はおむつが取れると、立っておしっこをすることを自然と教えてくれました。それは公共の場や小学校で、男子トイレで立っておしっこをするのが当たり前だからです。でも、同時に、個室でウンチをすること、また排せつの大切さについては習ってこなかったと思います。個室でウンチをすることは、公共の場や小学校でも当たり前のことなのに、ウンチやおしっこというワードに反応しやすい男の子にとっては、個室に入ることは特別なおかしいことに変化してしまうのかなと感じます。
男の子に立っておしっこをする方法とセットで、個室でウンチをすることは恥ずかしいことでないこと、排せつという人間の行為の大切さも、語ってあげたらいいのではないでしょうか。
中医学的に、トイレを我慢することとは?
ウンチを我慢することで、便秘がおこります。中医学では、「気・血・水」の3つのバランスが整って健康な状態になると考えますが、便秘をすることで、この3つの流れのバランスを失ってしまいます。その結果、イライラにつながったり、頭痛を引き起こしたり、肌荒れになったりします。また、大腸の働きも正常な状態でなくなってしまいます。中医学では、大腸は免疫力とも大きく関わるので、便秘が免疫力を低下させる要因のひとつになってくるともいえます。
中医学でなくても、腸の働きは体の免疫力と強く関わっていることが分かっています。この点から見ても、ウンチを我慢するということは、健康な状態から遠ざかってしまうことになりますよね。
ウンチをすることの重要性や、排せつをすることはどんな働きを持っているのかを、親子で日ごろから当たり前のように話ができることが望ましいと、今は思います。そうすることで、ウンチをすることが恥ずかしいことや特別おかしなことでないということを、子供たちにもわかってもらえるようになるといいですよね。親子の対話のなかに、ぜひウンチの話題も取り入れていきたいものです。
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【子供のうんち問題 バックナンバー】
子供のウンチ問題①:「トイトレ」のタイミングと見守り方
子供のウンチ問題②:小学生のトイレ事情、どう解決?(現在の記事)
子供のウンチ問題③:便秘によって吐き気も?!
子供のウンチ問題④:トイレが長い?親子でトークし、便秘を解消
子供のウンチ問題⑤:「姿勢」を見直して便秘解消!よい姿勢のコツ
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