少しずつ近づく冬の足音とともに、気になってくるのがからだの「冷え」ですね。ホリスティック・ウェルネス・アドバイザー、星宏美さんの今回のコラムは、万病のもとともいわれる、この「冷え」について。中医学にみると、血の巡りが大きく関係しているそうです。
手足などからだの末端が冷えるのはなぜ?
だんだんと冬の足音が近づいてくるのを感じますね。暦も11月に入ると、「立冬」を迎え、寒い日がしだいに増えてきます。
さて、これからの季節、気になるからだの不調が「冷え」です。中医学では、この「冷え」をつながる原因のひとつに「血虚(けっきょ)」があります。
たとえば次のような症状に思いあたる方! もしかすると「血虚」かもしれません。
・手足などの末端が冷える
・顔色が悪い(白っぽい感じ)
・貧血気味
・めまい、しびれなどがおきやすい
・肌がカサカサしている
からだの血が足りていない「血虚」
「血虚」とは、中医学的に「血が虚ろ(うつろ)」な状態、つまり、血が足りなくなっていることをさします。
血が足りないと、からだの中の血の巡りが悪くなります。血はからだ中に熱を運んでいます。その血が巡りにくくなると、熱が隅々までいきわたらず、手足などの末端が冷えやすくなってしまうのです。
また、熱が生みだせなくなると、顔色も悪くなってきます。貧血気味になったり、めまいなどもおきやすくなります。肌や髪にも潤いがなくなり、パサパサしてしまいます。
「血虚」になりがちの場合、食事のバランスが悪くなっていることが多いようです。忙しくて食事を抜いたり、適当なものでおなかを満たしたりしていると、からだのバランスもかたよりがちです。思い当たる方は、きちんと食べることから見直してみてください。
血を補う食材をとりましょう
血を補ってくれる食材を意識的にとることも、「血虚」の予防に効果的です。
中医学では、血を補ってくれる食材として次のようなものがあげられています。
にんじん、ほうれん草、レバー(牛・豚・鶏どれでもOK)、アーモンド、黒豆、きくらげ、卵、いか、たこ、赤貝、干しブドウ、桃など
身近な食材が多くありますね。
アーモンドや黒豆、干しブドウなどは、おやつとしても手軽に食べられます。
ほうれん草、いか、たこなどはお総菜に使われていることも多いので、忙しい時は出来あいのお総菜なども上手に使って、冷えしらずのからだをつくっていきましょう。
からだが冷えると、免疫力も低下しやすくなるといわれています。免疫力とも関係の深い腸内環境にも影響が出やすくなってくるので、しっかりと血を巡らせましょう。
次回は、同じように冷えのもとになりやすい中医学の「水滞(すいたい)」についてご紹介したいと思います。
【バックナンバー】
中医学の「陰虚」と白い食べもののお話
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「陰虚(いんきょ)」 ─秋に感じる肌の乾燥を中医学でひもとく
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