雨の日が続く梅雨の季節は、ついつい外出が面倒になって、からだのバランスも崩れがちです。ホリスティック・ウェルネス・アドバイザー、星宏美さんの今回のコラムも梅雨がテーマ。この時期に滞りやすい気を整える、からだの前面を伸ばすストレッチをご紹介します。動画もあります。
梅雨は、からだの前面に流れる気を意識して
前々回のコラムで、梅雨の時期は、中医学的に見ると「胃」と「脾」の2つの臓腑が影響を受けやすいというお話をしました。からだの中には「気血水」が流れていて、このバランスが整っていることが健康な状態といわれています。
「胃」は、食べものを消化し、「気血水」の原料をつくる場所と考えられています。この原料が運ばれる先の「脾」で「気血水」がつくられます。とても重要な役割を果たしているのですね。
梅雨の時期は、「胃」と「脾」の流れに気を配ってあげることが大切。この2つの流れは、からだの前面を通っています。したがって、前面を伸ばすストレッチが有効的です。
立って伸びをするだけでも効果はありますが、今回はしっかりと「胃」と「脾」を刺激して伸ばすストレッチをご紹介しましょう。
割り座になって、からだを伸ばす
割り座(お姉さん座り)になり、からだを後ろに倒して前側を伸ばします。
膝を痛めていたり割り座が苦手な人は無理をせず、後ほど紹介するストレッチを試してみてください。
割り座になって、からだを後ろにゆっくり倒していきます。
このとき、一度お尻を持ち上げて、尻尾の骨をお尻の方に引き下げてから倒れると、腰に負担がかかりにくくなります。
後ろに倒れたら、からだの前面が伸びている感覚を味わいながら呼吸をしていきます。
両足の割り座がつらい方は、片足ずつの割り座で、交互に伸ばす方法でも大丈夫です。
また、仰向けに寝転がって、伸びをするようにからだの前を伸ばすだけでも効果があります。つま先を体から離すように足の甲を伸ばすと、体の前が全体が伸びておすすめです。
からだの前面を伸ばす手軽なストレッチ
割り座が大変な方は、次のストレッチを試してみましょう。
立膝で胸を伸ばす
立膝のポーズになって胸側を伸ばしましょう。
膝が痛い場合は、タオルやブランケットなどを下に敷いてみてください。
この動画では、私は首に持病があるので顎を引いていますが、無理なく呼吸ができるようであれば、首を後ろに倒して前側を伸ばすのも効果的です。
お腹をテーブルのようにして前面を伸ばす
肩の下に手首、膝の下に足首がくるように手足を置いて、体の前側を伸ばします。
この動画も、私は首を引いた状態ですが、負担なく呼吸ができるようなら、首をゆっくりと後ろに倒してもよいです。
梅雨の時期はジメジメすることが原因で、お腹の重たさや消化不良を感じたり、疲れやすくなったりすることがあります。そんなときにもこれらのポーズはおすすめです。
この季節は、「胃」と「脾」の気の流れを整えるストレッチを取り入れて、心地よく過ごす工夫を取り入れてみてくださいね。
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