節分の食べものといえば、やっぱりお豆ですよね。さて、節分に食べる豆は、薬膳的にみると、からだにどんな効能があるのでしょうか? ホリスティック・ウェルネス・アドバイザーである星宏美さんにそんな季節を感じる話をお聞きしました。
節分は、季節の移り変わりを告げる日
節分とは、季節の移り変わりを表す雑節のひとつです。「季節を分ける日」を意味していて、節分を境に立春を迎えます。「季節が切り替わって、春の気配が感じられてきますよ」という日なのですね。
現代に暮らす私たちにとって、節分といえば冬の2月だけですが、昔は立春・立夏・立秋・立冬という各季節の始まりの前日すべてを節分と呼んでいたそうです。
さて、節分というと誰もが2月3日を思い浮かべると思いますが、2021年の節分は2月2日でした。2022年の節分は2月3日です。
これは、節分がもとづく二十四季節と太陽の動きにずれがあるためで、年によって日付が違ってくる場合があるのです。
ちなみに、2021年の節分が2月2日になったのはなんと124年ぶり!だとのことです。
豆をまいて、邪気を払う
節分といえば、「鬼は外、福は内」と唱えながら豆をまいて、年の数だけ豆を食べるのが習慣です。毎年当たり前のように豆まきをしていますが、なぜ季節の変わり目に鬼に向かって豆をまくのか、考えたことはありますか?
鬼はもともと「目に見えない存在」や「この世のものではないもの」として、邪気などを表現していたようです。疫病や災いなどの象徴でもあったのです。
豆には、このような「邪気を払う力」や「魔よけの力」が宿っていると考えられていました。
また、「魔目(まめ)」を鬼の目にぶつけて、鬼を滅する「魔滅(まめ)」という語呂合わせに由来があるともいわれています。
ちょっと、いま話題を集めていてる「鬼滅の刃」を思い出させるような由来ですね。
節分に食べる大豆には、薬膳的にどんな力が?
さて、節分に食べる豆は、薬膳的にみるとどんな効能をもっているのでしょうか?
節分の豆には、落花生を用いる地域もありますが、全国的には大豆が主流のようです。
そこで、大豆がもつ中医学的な効能をあげると、胃腸を元気にしてくれたり、消化不良や疲労への効果などがあげられます。
また、中医学では、からだの中を「気血水(きけつすい)」という3つの要素が巡っているといわれ、このバランスが崩れると健康な状態が保つことが難しいとされています。大豆は、この気血水をつくりだす場所を整えてくれる効果も持ちあわせています。
「邪気を払う」という大豆の力は、中医学的にも裏づけられているといえそうですね。
このほかにも大豆には、便秘解消や、大腸の気の流れを整えてくれる作用もあります。
微生物に気を配って「腸活」をしている方にもふさわしい食材といえるのではないでしょうか。
このように一粒の豆にもすごい効能が秘められています。
目に見えない鬼を滅するためにも、今年の節分は、改めてありがたさを感じながら、年の数だけ豆を味わってみてください。いつもとは違うおいしさを感じられるかもしれません。