せかいのこと
2020.10.14

おいしさ指数がある、ベトナム定番の魚醤ニョク・マム

ベトナムの古都フエ

「旅・写真・ごはん」をテーマに、世界中を旅する「旅行家・写真家・食事家」、石黒アツシさんが書き綴るコラム。今回は、ベトナムの古都フエで味わった伝統料理と、ベトナム料理に欠かせない調味料である魚醤「ニョク・マム」のお話です。

ベトナムの古都フエで伝統料理を

南北に長いベトナムの中部に位置するフエに出かけました。海から数キロほどフォン川をさかのぼった両岸にフエの街が広がります。川の北側には、1802年から1945年まで続いたグエン王朝の王宮があります。広大な敷地に歴史的な建物が点在しています。

冒頭の写真は、王宮にある建物の一つ「王宮劇場」です。中国文化の影響を受けた小さな建物ですが、その色合いと言いデザインと言い、ベトナムらしいかわいさが魅力です。

万能ソース、ニョク・マムを使ったヌク・チャム

ベトナム・魚醤・ヌク・チャム

ベトナムの調味料と言えば魚醤の「ニョク・マム」。フエのレストランでは、ベトナムの定番料理に加えて、この地方の伝統料理もいただきましたが、その料理の幾つかに添えられていたのが「ヌク・チャム」というタレでした。ヌク・チャムは、ニョク・マムとライムジュース、砂糖、唐辛子を合わせたもの。魚の旨味がしっかりと感じられて、同時に甘酸っぱく辛いものの、全体にはあっさりとした味わいです。

ところで、ベトナム料理には米粉をよく使います。たとえば、蒸し器の上に布を張って、米粉の生地を薄くのばして蒸し具を包む「バイン・クオン」(右中央)や、小さな皿に米粉の生地を入れて蒸し海老などの具を乗せた「バイン・ベオ」(右下)は特に「ヌク・チャム」が合います。つるっとした食感に、このスッキリとしたタレがいいんです。

また、スウィート&チリソースをつけて食べるタイの生春巻きと比較すると、ヌク・チャムをつけるベトナム・バージョンは、あっさりしていてまた格別なおいしさです。
ベトナム料理店に行くことがあれば、ぜひヌク・チャムを使った料理を楽しんでくださいね。

魚醤の作り方

ベトナム・魚醤・ニョク・マム

魚醤、英語ならフィッシュ・ソースですが、その魚の香りと旨味はクセになる味です。タイの「ナン・プラー」も有名ですが、ミャンマー、カンボジア、インドネシア、ラオス、フィリピンにもそれぞれの名前の魚醤があります。いずれも魚と塩を発酵させたものです。

ニョク・マムは、イワシやサバを塩と一緒に漬けて発酵させて作ります。上の写真の右が一般的なもの、左は高級なものです。

ベトナム・魚醤・ニョク・マム

さて、ボトルに貼られたラベルを見てみると、右は「35」、左は「40」という数字が表示されています。単位は「gN/L」。現地のスーパーでお店の人に聞いた時は、「35より40のほうがいいものなんだよ」とあいまいな返答でした。調べてみると、ニョク・マム1リットル当たり含まれる、旨味成分であるアミノ酸の窒素含有量をグラムで示すものとのこと。アミノ酸の旨味成分が、よりたくさん入っているものが、より大きな数字ということになります。

35と40を比較してみると、確かに40のほうが魚の旨味が、香り、味ともに強く感じられます。でも、塩味は丸く角が取れて落ち着いています。ちなみに最高級品には、フーコック島産の60があるそうです。

生春巻きを作ってヌク・チャムで食べる

ベトナム・生春巻き・ニョク・マム

日本に帰ってから生春巻きを作りました。現地で出会ったおいしさを、自分でいつも再現してみるんです。具はえび、たまごやき、パイナップル、レタス、ブン(米粉の麺)、ニラです。湿らせた生春巻きの皮でくるくると包んで、ヌク・チャムに漬けていただきます。食べてみるとニョク・マムの魚醤独特の旨味で、ベトナムの思い出が蘇りました。

(All photos by Atsushi Ishiguro)

 

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