せかいのこと
2020.10.14

ミャンマーの豆発酵調味料ポン・イェ・ジーで煮込み料理を!(読了時間 : 3分)

ミャンマーの巨大寺院

「旅・写真・ごはん」をテーマに、世界中を旅する「旅行家・写真家・食事家」、石黒アツシさんが書き綴るコラム。今回ご紹介するのは、ミャンマーのマーケットで買った豆の発酵食品「ポン・イェ・ジー」。日本の味噌や醤油にも通じる、アジアの発酵文化の多様さが伝わってきます。

ミャンマーの世界遺産バガンへ

「ビルマの竪琴」で日本人にも馴染みが深いミャンマー。出かけたのは2年前の11月のことでした。日本の約1.8倍の国土に、135の民族、約5400万人が住んでいます。そのうち90%が仏教徒です。

ミャンマー西部にあるバガンは、カンボジアのアンコールワット、インドネシアのボロブドゥールとともに、世界三大仏教遺跡のひとつに数えられています。41㎞²という広大な土地に、冒頭の写真にあるような巨大寺院や3000を超える仏塔が点在しています。

そしてバガンがあるマンダレー地方には美味しい豆の発酵食品があったんです。

ニューバガンのレストランで出会った豆の発酵食品

ミャンマーの魚の煮込み

世界遺産登録に向けて、バガンの遺跡群の中に住んでいた人たちは、遺跡保全のために、ニューバガンという町を作って移り住んだそうです。ニューバガンには手軽な宿やレストランがあって、バガン観光の拠点です。

日中に電気バイクを借りて遺産群をあちこちと走り、人通りの多い通りに並んでいるレストランのひとつに入りました。メニューを見てもよくわからないので、若い店員にこの地域ならではのおすすめを聞いてみると、魚の煮込みがいいと教えてくれました。

テーブルに運ばれてきた料理を一口食べてみると、今まで味わったことがないおいしさが口いっぱいに広がります。デミグラスソースを使ったシチューのような濃厚な口当たりなのに、その旨味はしつこくなくてすっきりしています。それが、川魚の淡白な身によく合っていて、何ともいえないおいしさなんです。

「ポン・イェ・ジーを使えば簡単だよ」と

ポン・イェ・ジー

あんまり美味しいので、店員さんに「これはいったいどうやって作ってるんだ!」と聞いてみると、調理人を呼んでくれました。エプロン姿で厨房から出てきた、30代後半くらいのかっぷくのいい料理人が、調味料らしきパッケージをテーブルに置くと、「ポン・イェ・ジーを使えば簡単に作れるんだよ」とのこと。そして「それはいったい何なの?」と聞いてみれば「豆を発酵させた調味料で、マーケットに行けば売ってるよ。」と教えてくれました。

ポン・イェ・ジー

ポン・イェ・ジーは、黒豆をぐつぐつと煮て、さらに煮詰めてから発酵させる調味料。上の写真が、マーケットで買ってきた2種類ポン・イェ・ジーです。左がペースト状のもので、右が粉末状にしたもの。

 

見た目は「八丁味噌」(左)、「甘くないさらし餡」(右)といった印象です。いずれも塩味は感じませんが、旨味は醤油や味噌などで感じるものに近いと思います。うっすらと茹でた豆の香りがします。

 

手作りのポン・イェ・ジー

マーケットには、手作りのポン・イェ・ジーも量り売りで売られていました。こちらは残念ながら味見しなかったのですが、いつか機会があればトライしてみたいと思います。

日本に帰ってから「ポン・イェ・ジー」を使って作ってみました

日本に帰ってから、あの味を思い出しながら、インターネットでレシピ情報を探して、自分なりに作ってみました。旅の後には決まって現地の味を再現してみるんです。ポン・イェ・ジーの旨味に、炒めた玉ねぎ、魚醤とチリパウダーで味付け。現地で食べたものと変わらない美味さが再現できました。

大豆の発酵食品と言えば、日本なら醤油、味噌、納豆、中国の豆鼓は知っていましたが、ミャンマーに煮込み料理に使う黒豆を発酵させた旨味ペーストがあるとは新発見でした。

(All photos by Atsushi Ishiguro)

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石黒 アツシ

石黒 アツシ

「旅・写真・ごはん」をテーマに、世界中のおいしいものを食べ歩き、食文化を写真に収め、日本で再現してみんなと食べることをライフワークにしている「旅行家・写真家・食事家」です。KOSMOSTのコラムでは、これまで旅先で食べてきた発酵食品を、皆さんと一緒に楽しみたいと思います。-------- Q. 微生物とともに生きるライフスタイル」で大切にしていることは? → A. おいしい発酵食品を、おいしくいただいています。

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