私たちにとって、マスクはすっかり生活必需品になりました。じつはその習慣は、口まわりの日焼け防止や乾燥ケアなど、美容にとってうれしいことも期待できるのです。一方で鼻を覆うことで口呼吸になってしまい、普段以上に口内環境が気になることがあるかもしれません。そこでこの機会に、私たちの口内環境と美容について考えてみました。
「口内フローラ」ってなに?
私たちの口の中には、腸内と同様にたくさんの微生物がすんでいます。それは、腸内フローラと同じように「口内フローラ」(口腔内細菌叢)と呼ばれています。口内の細菌は約700種あるといわれ、私たちのウェルネスと深く関係しています。最近の口腔予防医学分野の研究では、口内フローラバランスが整うと健康維持に有効だという考察もあるようです。
若々しさと唾液のこと
口内フローラのバランスを整えるために欠かせないのが唾液の存在です。唾液には、口内をきれいにする洗浄作用や抗菌作用があり、また、pHバランスを整えてくれます。
そして、口の中が潤うことで、スムーズに話したり、食べたりすることができます。生活の質の向上(QOL)に寄与しているのが唾液分泌ともいえます。
ところが、残念なことに、唾液の量は加齢とともに減少してしまうのです。
口内フローラのために、とりいれたい習慣
加齢には逆らえないけれど、日々の習慣で口内フローラ環境をよりよい状態にしておくことはできます。
1つめの習慣は、口内を清潔にしておくこと。食事のあとの歯磨きをし、そして丁寧に歯間も磨くことが大切です。
2つめは、ドライマウスを防ぎ、唾液分泌をうながすように気を配ること。よく噛んで食べることが基本です。また、口呼吸ではなく鼻呼吸がおすすめです。
そして3つめは、規則正しく食事をいただき、だらだらと食べつづけないこと。食間でも口内をきれいに保って、若々しさを目指したいものですね。