天高く晴れわたって気持ちのよい秋は、乾燥のはじまりの季節でもあります。ホリスティック・ウェルネス・アドバイザーである星宏美さんの今回のお話は、そんな季節に気を配りたい肺と腸のこと。中医学的には、この2つの臓器はとても深い関係にあるそうです。
秋はどんな季節?
秋が深まり、地域によっては紅葉も見られる10月。暦では「寒露」「霜降」などと言われ、冬に向かって寒さを連想させるような季節になってきます。秋は、「食欲の秋」「スポーツの秋」「読書の秋」とさまざまなことが言われますが、今回は「秋の乾燥」に着目してお話をしていこうと思います。
秋に入ると、空気の乾燥がはじまります。それにともない、のどが乾燥して、喉痛みや咳につながる風邪をひいたり、肌や髪が乾燥を感じる方も多いのではないでしょうか?
中医学や薬膳でも、秋の乾燥は大きくからだに関係してきます。
中医学では、秋の季節は【肺】が影響を受けるとされています。「呼吸をつかさどり、体の中の気を巡らせ、免疫力に関わる」というのが、【肺】の中医学的な見方です。
空気が乾燥することで【肺】も乾燥を感じますが、そのことにより、肺だけでなく喉も乾燥してしまいます。
うるおうことで流れがスムーズだったのが、乾燥により、張り付いたり、気が流れなくなってしまいます。
病気の邪気や菌が入ったときに、乾燥している部分があればそこに停滞してしまいますね。その結果、喉が痛くなったり、のどの風邪につながっていきます。
【肺】には、影響する【腑】が存在
風邪や咳に侵されないようにするには、【肺】を乾燥から守ることが大事です。
中医学では下記の様な色体表が存在します。この中で、臓器に対応する腑があるのですが、【肺】に対応するのが、実は、【大腸】。つまり、【肺】は、免疫力を高める大きな役割を果たしていることになります。【肺】が弱れば、【大腸】も影響されてくるというのが、中医学での五行の考え方です。
秋の免疫力は【肺】と【大腸】から
【肺】が乾燥を感じて不調をきたせば、【大腸】も乾燥を感じて便秘になりやすい。【腸】は、不要なものを外に出す役割を持っていますから、乾燥で不調になると、不要なものを外に出せないことになります。いらないものを貯めこんでおくのは、体にとっては良い状態ではありませんね。
また、テレビなどでも腸内環境についての番組を見たことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、現代の医学でも、腸内を整えた状態にするためには、「免疫力を上げる」ことが大切だと言われています。中医学の考え方と現代の医学の考え方、両方の面からみても、大腸を整えるためは、乾燥に気を付けることは大事なようですね。
秋の季節に、不調を起こしやすい【肺】、そして【大腸】をしっかりとサポートして、免疫力を高めていきましょう!