最近、生活のスタイルが変わって、在宅ワークが増えたり、部屋にこもりがちの人が多いのではないでしょうか。そこで気になってくるのが、肩こりなどふだん感じることのないからだの不調。ホリスティック・ウェルネス・アドバイザー星宏美さんの今回のお話は、肩や首まわりを深くからほぐすストレッチです。中医学的な視点を意識することがポイントだそうです。
肩や首のこりは、血が巡りが滞っているサイン
最近では在宅ワークが増えたという方も多いのではないでしょうか?
私は、薬膳やヨガのインストラクターとして活動していますが、最近、レッスンを受けている方たちから「在宅ワークが続いて、肩や首がガチガチになってしまう」という声をよく耳にします。
在宅では、オフィスと違って、時間を区切ることなくパソコンに向き合いがちです。ノートパソコンなどを長時間使用すると、猫背のもとになることもあります。また、指先を酷使すると肩まわりが固くなり、目の疲れも肩のこりに関係するといわれています。
もしも肩や首にこりを感じたら、からだの血の流れが悪くなっているサインです。その状態が続くと、冷えにつながったり、ストレスを感じやすくなったり、片頭痛などが起きたり、からだの各所に影響が起こりやすくなります。
そこで今回は、座ったままでも簡単にできる肩や首のストレッチをご紹介したいと思います。
肩や首のこりを深いところからほぐすには、指先から肩甲骨をしっかり動かすのがポイントです。肩はもちろん、指先も肩甲骨とつながっているのです。
呼吸を意識し、指先から肩甲骨を大きく動かす
動画でもご紹介していますので、目で見てトライされたい方はこちらをどうぞ!
① 座り方は、あぐらでも、椅子でもOKです。
座ったときに、お尻に大きな骨を2つ感じると思います。この骨が座骨です。座骨をしっかりつけて座りましょう。
正座の場合は、かかとで座骨を感じられるように座ってください。
頭のてっぺんを天井の方に伸ばします。
自然と首が伸びて、肩が下がるような感じになると思います。
肩こりのある方は、この座り方をしただけで、肩の奥が伸びるような感覚があるかもしれません。
② この座り方を保ったまま、息を吸いながら左手を真上に伸ばします。
左手の指先、それから頭のてっぺんも天井に伸ばすように意識してください。
右手は床につけるなど、楽なところでOKです。
③ 息を吐きながらからだを右側に倒します。
このとき、からだが真横に傾くように意識して、座骨から指先までをしっかり引っ張りあうように伸ばしましょう。
倒したままの姿勢をキープして、何回か呼吸を繰り返します。
④ 倒した姿勢をキープしながら、伸ばしている左手を後ろから前にまわします。
なるべく肘を曲げず指先が遠くを通るように大きく円を描きましょう。痛気持ちいところ、つまりなどを感じるところはゆっくり丁寧に。
何度か繰り返しているうちに、温かくなるような感覚が出てくると思います。肩甲骨からしっかり動かせている証です!
次に、前から後ろに同じようにまわしてください。
⑤ 右手も①~④と同じようにまわします。
中医学を意識して、からだに気配る
このストレッチは、肩まわりを肩甲骨からしっかりとほぐすとともに、胸まわりも広がり、からだの前後のバランスを整える効果もあります。
肩や首のまわりが温かくじんじんしてきたり、鎖骨のあたりがほぐれたり、人によって差はあると思いますが、からだの変化を感じられると思います。
また、肩まわりがほぐれると、胸が開きやすくなり、呼吸も入りやすくなります。中医学では、呼吸は免疫力や大腸の流れとも大きく関係するといわれます。
このように、私たちのからだは気づかないところでさまざまに関わりあっています。
たとえば、腸の具合が悪くてお腹が張るときには、お腹の反対側の腰も引っ張られて、腰痛につながることもあります。からだが不調なとき、その部分だけを気にしがちですが、他の部分も大きく関わるのを意識することも大切かもしれません。
中医学的な発想を取り入れたストレッチで、からだと心をほぐし、快適な毎日を過ごしていただけたらと思います。