暦の上ではもうすぐ春ですが、まだまだ寒い時期が続きます。寒さを感じると、からだが縮こまって血のめぐりが滞りがち。ホリスティック・ウェルネス・アドバイザー、星宏美さんの今回のコラムは、この血の滞りが原因で起こる中医学の「瘀血(おけつ)」についてのお話です。
立春とはいえ、寒さを感じる時期に起こりやすい体の不調とは?
立春を過ぎると、春を迎えていることになります。日も徐々に長くなり春まであともう少し。
しかし、暦では「春」になったといえ、まだまだ寒さも感じる季節です。昼と夜の温度差に服装のチョイスを間違えてしまって、寒さを感じて肩回りや体をグッと縮めてしまったという経験をしたこともあるのではないでしょうか?
その結果、体の血行が滞って、さまざまな体の不調を引き起こします。もともと、体質的に血行不良を感じやすい方は、この時期でなくても、同じような不調を日々抱えているかもしれません。
血行不良から起こる不調=「瘀血(おけつ)」
中医学では、からだの「気血水(きけつすい)」のバランスが整うことによって健康な体がつくられます。このうち、血の巡りが悪くなっている状態を「瘀血(おけつ)」と呼んでいます。
「瘀血(おけつ)」になると、血の巡りが悪くなって、肩こりや関節痛、頭痛が起こったり、少しぶつけただけであざができたり、シミが濃くなったり、目の下にクマができたりしやすくなります。また、女性だと生理の時に血の塊が出てきたりすることも起きやすくなるかもしれません。
「瘀血(おけつ)」を解消する食材は?
中医学の薬膳では、この「瘀血(おけつ)」を解消するのによい食材として次のようなものがあげられています。
カカオ、サンザシ、黒砂糖、菜の花、ニラ、パセリ、ふき、グレープフルーツ、レンコン、酢など
スーパーでもよく見かける食材が多くありますね。
カカオというと、チョコレート! でも、通常のチョコには白砂糖がたくさん入っていて、白砂糖は血の巡りを悪くしてしまうとされているので、要注意です。カカオの成分の高いものか、黒糖を使ったチョコを見つけてみるのもいいかもしれません。
カカオは、ほかにもココアなどで使われています。市販のココアではなく、ピュアカカオ(ココアパウダー)を使って、自分で甘さ調整をしてビターなココアにしたり、ミルクやソイを強くしてみたりするのもおすすめです。我が家ではココアは少量の液体でまず練ってから、甘さを調整して作っています。
サンザシは、酸っぱい実です。練り菓子になっているものだと、杏子のような味がします。最近では輸入品を扱うようなスーパーに置いてあることもあるので、この記事を読んで興味がわいたら試してみてください。サンザシは、「瘀血(おけつ)」だけではなく、産後の回復にも良いとされているので、出産後の方にもおすすめです。
食べものばかりでなく、運動にも気を配って
体をめぐる血の流れをよくするためには、体を動かすことも大切です。
普段からだを動かす機会が少ない方は、手始めに軽めのウォーキングやストレッチがおすすめ。また、筋トレが好きな方は、筋肉をしっかり動かすことが血の流れに繋がっていくので、食べ物と同様に続けてください。
からだの血の巡りを良くして、肌の調子だけでなく、からだの中の調子も整えて、本格的な春に向けて体を準備しておきましょう。